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ISSUE

介護・治療と仕事の両立支援を、
「制度がある」で
終わらせないために

最終更新:

育児・介護休業法の改正、そして治療と就業の両立支援指針の施行。制度は整いつつありますが、「自社として何を確認すべきか」は、制度の条文だけでは分かりません。

01 — FACT / POLICY

いま、何が変わっているのか

「介護」と「治療」は、根拠となる法律も、施行時期も異なる別の制度です。ここでは混同せず、それぞれの事実関係だけを整理します。

介護:2025年4月、事業主の対応が義務化

改正育児・介護休業法により、2025年4月1日から、介護に直面した従業員への対応として、次の3点が事業主の義務となりました。

  • 雇用環境整備(研修実施・相談窓口設置・取得事例の収集提供・制度利用促進方針の周知のいずれか1つ以上の措置)
  • 個別周知・意向確認(介護に直面した旨の申出に対し、制度内容・申出先・介護休業給付金を個別に周知し、意向を確認する)
  • 早期の情報提供(労働者が40歳前後の段階で、同じ内容をあらかじめ周知する)

治療:2026年4月、事業主の努力義務に

改正労働施策総合推進法(令和7年法律第63号)により、2026年4月1日から、職場における治療と就業の両立支援の取組が事業主の努力義務となりました。2026年2月10日公表の「治療と就業の両立支援指針」(厚生労働省告示第28号)が、取り組むべき内容を示しています。

  • トップの方針表明
  • 研修等を通じた意識啓発
  • 相談窓口の明確化・社内の支援体制の整備
  • 休暇制度・勤務制度の整備(時間単位の有給休暇、病気休暇、時差出勤、テレワーク、短時間勤務 等)

愛知県では、疾病一般の治療と仕事の両立、不妊治療、メンタルヘルス、労務相談のそれぞれについて、企業向けのセミナーや専門家派遣、専門相談窓口の運営が具体化しています(詳細は06 Evidence / Sourcesを参照)。

こうした動きが示すのは、制度が努力義務として整っただけでは支援は完結しないということです。実際に機能させるには、相談体制の整備、職場調整、管理職対応、社内制度の運用、外部専門職との接続までを、企業が一貫して担う必要があります。

介護は「義務」、治療は「努力義務」であり、法的な強さも異なります。同じ制度として扱わず、別々の制度として押さえたうえで、次の項では企業実務上の共通点を確認します。

参考として、経済産業省「仕事と介護の両立支援に関する経営者向けガイドライン」(2026年3月改訂版)では、2030年に仕事をしながら家族の介護を行う者は約318万人、それに伴う経済損失は約9兆円と試算されています。社会全体の規模感を示す背景情報であり、個々の企業の損失を予測したり対応を迫るための数字ではありません(出典は06 Evidence / Sourcesを参照)。

02 — WLD INTERPRETATION

制度は違っても、組織に共通して生まれる問い

制度が守っているのは「対応の最低ライン」です。それを自社の実務でどう動かすかは、制度の条文には書かれていません。介護と治療は別の制度ですが、企業の実務としては共通した問いが生まれます。これはWLDがこれまでの支援の中で整理してきた見方であり、行政が示した公式な見解ではありません。

  • 社員はどこへ相談すればよいか
  • 管理職はどこまで対応するのか
  • 人事へ何をつなぐのか
  • 本人の情報をどう扱うのか
  • どこから外部専門職・公的支援へつなぐのか
  • 職場の業務・体制をどう調整するか

03 — SELF-CHECK

自社で確認してみたいこと

点数化して評価するための診断ではありません。自社の現状を振り返るための問いとして使ってください。

  • 相談入口を説明できるか
  • 管理職の役割と限界が決まっているか
  • 制度の周知だけで終わっていないか
  • 本人同意・プライバシーを含む情報取扱いを決めているか
  • 外部専門職・公的支援への接続方法を把握しているか
  • 実際に制度が使われているかを振り返る機会があるか

04 — OPTIONS

取り得る選択肢

自社で確認した結果、進め方は一つではありません。状況に応じて、次のような選択肢があります。

01

自社で整える

相談窓口・規程・研修など、社内の体制を自社で整備する。

02

公的支援を使う

地域包括支援センターや産業保健総合支援センターなど、既にある公的な支援を活用する。

03

既存の専門職へ相談する

顧問社労士や産業医など、既に付き合いのある専門職へ相談する。

04

WLD等の外部支援を利用する

状況の整理や、制度・専門職への接続を、外部の伴走支援に依頼する。

05 — WLD SUPPORT

WLDで整理できること

外部支援を選ぶ場合、WLDでは会社側・本人側それぞれの立場から整理を行っています。

会社側

企業の福祉・医療支援体制づくり

相談窓口の設計、管理職の役割整理、制度運用の体制づくりを支援します。

本人・家族側

仕事と家族ケアの両立支援

従業員本人やご家族からの介護・医療に関するご相談を受け、制度・専門職・地域資源への接続までを行います。

相談先や必要な専門性がまだ定まらない場合は、専門職への接続・個別相談もご覧ください。

WLDは、法的判断や医療判断を代行しません。本人に代わって働き方を決めたり、企業に代わって一律の正解を決めたりすることもありません。他の専門職や公的支援の方が適切な場合は、そちらの利用を確認します。

06 — EVIDENCE / SOURCES

Evidence / Sources

最終確認日:2026-09-20。公的機関が公表する一次資料のみを掲載しています。

  • 厚生労働省「育児・介護休業法 法改正のポイント(令和7年4月1日施行)」mhlw.go.jp
  • 厚生労働省「治療と就業の両立支援指針」(令和8年厚生労働省告示第28号・令和8年2月10日公示)mhlw.go.jp(PDF)
  • 厚生労働省「全ての事業主の方へ 病気を抱える労働者の治療と就業の両立支援が努力義務になります!」(令和8年2月)mhlw.go.jp(PDF)
  • 経済産業省「仕事と介護の両立支援に関する経営者向けガイドライン」(2026年3月改訂版)meti.go.jp
  • 愛知県「治療と仕事の両立支援セミナー及び専門家派遣の参加企業を募集します!」(2026年8月6日掲載)pref.aichi.jp
  • 愛知県「不妊治療と仕事の両立支援」pref.aichi.jp
  • 愛知県「職場のメンタルヘルス対策セミナーの参加者を募集します!」(2026年9月14日掲載)pref.aichi.jp
  • 愛知県「専門労働相談~社会保険労務士が職場でのお悩みの相談に応じます~」pref.aichi.jp

CONTACT

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「何を依頼すればよいか分からない」
「こういうことも相談できるだろうか」
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